信南交通のBT51、BT71を追って



  学生時代、時間とお金があればバイクに寝袋やテントを載せて各地をツーリングするのが好きでした。原付免許を取って直に中古のヤマハRD50SPを購入し、秋も深まったある日、とりあえず何処か遠くへ行ってみようと南信濃地方へと向いました。そこで偶然通りかかった町で目にしたのが、信南交通、和田営業所で活躍中のBT51(1967年式)とBT71(1965年式)です。センターアンダーフロアエンジンで、ブルーリボンの愛称で1960年頃をピークに全国で活躍したこのシリーズは、既に殆どのバス会社から姿を消しておりましたが、古びた木造の車庫と合わせて時間が10年以上前から止まっている様な光景に感無量でした。

  これをきっかけに定期的にBTを追う日々が訪れ、和田営業所の2台、早稲田営業所の3台を対象として、飯田線の旧国を蹴ってでも地道に撮影を続けたのです。
撮影期間:1981年〜1983年

 あれから23年が経過し、記憶の彼方へ行ってしまおうとしていた原風景をもう1度堪能してみたくなり、2006年8月16日に再訪しました。道路は各所で拡張されていましたが、当時を偲べる建造物や風景は殆どそのままの姿で健在で、僅かな時間でしたがタイムスリップして来ました。それらの画像はこちらからご覧になれます。

2006年8月、和田営業所、早稲田営業所再訪。


  更に2007年8月14、15日の両日訪問しましたが、和田営業所の事務所兼待合室は、新しい建物に生まれ変わっていました。信南新聞によると地元の遠山杉で作られているそうで、古い町並との調和も素晴らしく、和田町のちょっとしたオアシスになっています。木造車庫の部分改修と構内の全面舗装も行なわれ、今後も住民のみなさんの大切な足として走り続ける事を、強く訴えていました。

                                
2007年8月、和田営業所再再訪。







1.和田営業所


昭和30年代にタイムスリップした様な光景。


上4枚 色褪せながらも錆一つない状態だったBT71。


立窓はサッシ化されているBT51。全塗装されたばかりだった。


古風な木造車庫に圧倒された。BT51(松本2あ・123)とBT71(長2あ38-66)が1台ずついた。


バンパーは交換されたが、3本の飾り帯はオリジナルのBT71。


   



  38-66の内部。


綺麗に手入れされた、38-66の運転席。


和田-上村線。中扉車ゆえ、車掌が乗務する。


和田発、上島行きのBT51。高い崖っぷちを走行する。


和田-上村線。大きな川に沿ってそろそろと走行する。


和田-上村線


和田-上村線 小さな集落の間を抜けて行く。


和田-上村線。民家も無いところにポツンと立つバス停。


和田-上村線


   
和田-上村線


 
真冬の上村に到着したBT71。降車したお客さんは、一人だけだった。


上村のバス折り返し所で待機する。ここで、運転手さんと車掌さんを撮影させて頂きました。




2.早稲田営業所


勢揃いしたBT達。BT51(松本2あ・125)、BT71(長2あ38-63、長2あ38-65)が配置されていた。


バックで車庫入れするBT51。観光仕様のバスが、こんな山奥にいる事自体不思議だった。


BT71の丸いお尻。


2台のBT71の中で、比較的状態の良かった38-63。


38-65は結構年季が入っていた。


貸切車として活躍中のBT51の姿を、道端で偶然捉えた。


恐らく38-63の代替として入った、RJ172BA(右)








早稲田営業所を出庫するBT71。


年季の入ったシングルナンバープレート。
     
遥か遠くに残雪の山々を望む。


鯉のぼりが泳ぐ頃。


2段のネームプレート入れが、フル活用されていた。
(画像を加工しています)

38-63の内部


早稲田-温田線を行く。


早稲田-温田線。沿線風景は季節によって様々な表情を見せる。


早稲田営業所を左へ出ると、短い急坂が待っている。


38-65のドア付近。


早稲田-温田線

早稲田-門島線


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