河口湖自動車博物館 いすずBX731/川崎航空機工業 岐阜製作所(1961年5月製造)


  1959年に、ボンネット部分が近代的デザインにモデルチェンジされた、いすずBX型バスのミドルホイールベースにあたるのが、このBX731型である。このバスの製造年は1961年であるが、フロント、リアの窓周りは川崎航空機工業の1959年までの旧型ボディを踏襲している。急傾斜の後部窓を持つ川崎ボディーの個体は、現存数は極めて少ない。これは私の想像であるが、元々は信南交通か伊那自動車が路線バスとして購入したものではなかろうか・・・


  この頁を公開しました所、ご覧になられた方々から、このバスの素性に関する情報を頂きましたのでご紹介します。このバスは元、信南交通の路線バスでした。このバスが現在ここに存在している事は奇跡の積み重ねによるものです。まだ導入されて間も無い1961年6月、伊那地方を襲った集中豪雨による水害(三六災害)があり、たまたま運行中だったこのバスはトンネル内に避難していて助かりました。しかし、土砂崩れで両側の出口を塞がれ、半年間トンネル内に閉じ込められていたそうです。復旧工事による脱出後約10年間活躍し、1972年に廃車となり、解体されずにダルマ状態で事務所として長らく使用されました。平成になってから地元のバス愛好家が息を吹きかけ、自走出来る状態にレストアしてイベント等で使用し、その数年後、こちらの博物館にやって来て今日に至っています。現在の塗色は近年塗り直されたもので、博物館にやって来た頃とは異なっています。情報を頂いた皆様には、厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。


  こちらの博物館は、お盆を含む夏季一ヶ月間限定の開館であるので、訪問する際は事前に確認をして下さい。



駐車場の隅に置かれていた。肌色一色に塗られているが、地道な手作業による塗装の様である。




上3枚 このフロントグリルは、後のBXDシリーズとは異なる貴重なものだ。



上2枚 BXD30よりもやや短いホイールベース。


自家用バス時代の登録番号標が残る。



真後ろから見ると、窓が急傾斜している様に見えないが・・・


急傾斜したこの後部窓は、1959年までの川崎ボディーの特徴だった。


2007.8.16撮影


追加画像(2008.8.17撮影)














BXDシリーズのヘッドライトヴェゼル

正規のヘッドライトヴェゼル
























追加画像 2009.8.12撮影(展示場所が変わっています)













追加画像−2 傷んでいたボディが修復され、塗色も再変更されました。(2010.8.13撮影)








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