懐かしの烏山線


  2014年春に、スマート電池くんの実用化第一号となる蓄電池駆動電車システムが導入された烏山線であるが、沿線風景は昔と変わらず、素朴な日本の原風景を堪能出来る。地元でも地味な存在だった烏山線のキハ10系であったが、時々沿線に足を運んで記録に残していた。ツートン色から首都圏色への塗色変更、バス窓のキハ20型2両の借入、キハ40型2000番台への車両更新が、僅か数年の間に繰り広げられたのも、今では懐かしい思い出となっている。

  現在、烏山線はキハ40型1000番台(トイレ撤去、シート配列変更、冷房化等により改番)で運行されている(※1)が、2010年12月末に国鉄ツートン色が、そして2012年12月中旬に、キハ40型2000番台として新製配置された当時の首都圏色が復活した事で、宇都宮運転所のキハ40型の塗色は、烏山線色と合わせて3色体制となり、少なくとも1年余りは3色が入り乱れての活躍を見られる事になった。

  このコーナーでは、ここで活躍したキハ10系、キハ20、一つ目のDD13、そしてまだまだ記憶に新しい、キハ40を振り返ってみたいと思います。なお、宇都宮運転所内での撮影は、事前に撮影許可を得た上で行っています。

 (※1) 2017年3月3日限りで、キハ40による運行が終了しました。


 



上3枚 キハ11 17+キハ10 41が、雨上がりの滝駅に到着。



上2枚 キハ11 17+キハ10 41が、滝駅を後にする。




上3枚 キハ10系首都圏色。(滝付近及び滝駅)




上3枚 滝付近の大築堤を行く、キハ20 55+キハ11。



上2枚 今も昔も変わらぬ佇まいの滝駅。


小塙付近の築堤をゆっくりと下る。


キハ11 7+キハ11+キハ20 55が小塙駅を発車。


小塙駅前には古風な藁葺き屋根の家があり、アクセントになっていた。


小塙-大金を行く、キハ20 55+キハ11。


小塙-滝を行く、キハ20 55+キハ11。


夕日を浴びて宇都宮を目指す。(宇都宮-岡本)


長い直線区間を北上する。(宇都宮-岡本)


宇都宮駅に停車中のキハ11 17。


キハ11 52他(宇都宮駅)



上2枚 烏山線用車両のオールスター総出演編成。向日町運転所のキハ20 55、水戸機関区のキハ20 91が組み込まれている。(宇都宮-岡本)


キハ11 62他。 (宇都宮-岡本)


485系ひばりと交換する3連。



早朝に設定されていた5連。


その先頭はキハ11 61。5連にもかかわらず、立客が多い。(上4枚 岡本-宝積寺)


オールツートンカラーのキハ10 57他5連が、朝の宇都宮駅に到着。


龍門の滝上を行く、首都圏色3連。





上4枚 滝付近の大カーブを行く、一つ目のDD13 79牽引の貨物列車。



宇都宮運転所


  宇都宮運転所には10両の10系気動車が配置され、1〜5両編成の運用があった。車両の全面置き換えが迫った頃、老朽化により2両が先行廃車された為、キハ20型2両が借入されて、10両体制を維持した。向日町運転所からツートンカラーのキハ20 55、水戸機関区から首都圏色のキハ20 91が貸し出され、キハ10系と共通運用で1、2年程度使用された。ここからは、その過渡期の運転所の様子をご覧下さい。




キハ20に挟まれたキハ11。10系気動車の天井の低さが強調される。


上3枚 数年間見る事が出来た、キハ10系と20系の競演。ツートンのキハ20 55は、向日町運転所からの借入車。


給油中のキハ10 41他。


キハ11 7


キハ11 61


DD13 72




上3枚 DD13 79


DE10 100、DD13 236、キハ11 63

上5枚 烏山線の貨物牽引や構内での入れ替えに使用された、DD13、DE10。


キハ10系の引退が迫り、訓練用(?)として先行配置されたキハ40 2011。


EF65 1071が構内を移動して行く。


所狭しと車両が並ぶ。左から、DD13 79、キハ20 91、キハ11 61、キハ11 62。


キハ10 56他



新旧交代の時


  キハ10系からキハ40系へ車両が交代する瞬間である。キハ40 2011が先行配置後、残りの8両が車両置き換え前日までに宇都宮運転所の中央部付近に留置され、隣には運用を外されたキハ10系8両が順次留置された。向日町運転所からの借入車キハ20 55は予備車として数ヶ月間、宇都宮運転所に留まった。


キハ40型8両が待機する中、運用を離脱したキハ10系が先ず1両、潰れた車掌車の前に留置された。


その後、キハ10系8両全てが、キハ40の隣に並べられた。




キハ40は順番に出庫して行き、キハ10系8両が寂しく残された。

上5枚 宇都宮運転所



最後の姿


  富士重工業宇都宮製作所では、数多くの車両が産声をあげ、そして引退した車両が消えていった。宇都宮運転所のキハ10系は、この地で一緒に繋げられて数日間留置された後、鉄屑となった。




上3枚 富士重工業 宇都宮製作所


上1枚 湘南フェイスのキハユニ15 10(水ミト)と連結されて留置中されていた、キハ11 63。(鶴田駅)



キハ40型2000番台


キハ40系はローカル線用の標準型気動車として、キハ10系を置き換える形で瞬く間に全国展開された。



上2枚 キハ40 2011(宇都宮運転所)


キハ40 2016他(宇都宮運転所)




上3枚 滝付近。



広島地区のキハ40 2000番台


  参考資料として、可部線用のキハ40をご紹介。 上の画像は2043、下の画像は2046。タブレット受けや客室ドア窓の鉄格子に、地方色が出ている。(可部駅)





懐かしの単行運転


かつて日中に、単行運転になる時期があった。2003年はキハ40 1004がタラコ色となったので、時々この車両が単行で走る姿を見る事が出来た。












烏山線の今 日常の光景 (2017年3月3日限りで、キハ40による運行が終了しました)


  烏山線用の10系気動車を淘汰したキハ40は、改造を受けながら、今だ現役である2017年3月3日まで活躍した。嬉しい事に最近首都圏色が復活し、国鉄ツートン色や烏山線色との組み合わせを楽しむ事が出来た。車両は変われど、10系気動車時代の光景が蘇った。







上6枚 2012.12〜2013.1








上7枚 2013.6




上3枚 2013.7






上5枚 2013.8



上2枚 2013.9





上4枚 2013.10





上4枚 2013.11





上4枚 2013.12





上4枚 2014.2





2014.3.15、日本初の蓄電池駆動電車、アキュム(EV-E301系)が1編成投入された。








上11枚 2014.3





上4枚 2014.4



上2枚 2014.5




上3枚 2014.7








上7枚 2014.8




上3枚 2014.10


上1枚 2014.11



上2枚 2014.12





上4枚 2015.1




上3枚 2015.2





上4枚 2015.3




上3枚 2015.4




上3枚 2015.5



上2枚 2015.6






上5枚 2015.7





上4枚 2015.8


2015.10


2015.11


2015.12


2016.2


2016.3





上4枚 2016.7









上8枚 2016.12








上7枚 2017.1













上12枚 2017.2





上4枚 2017.3


2016年12月16日、JR東日本は2017年3月4日に実施するダイヤ改正内容を発表した。その中に、烏山線のキハ40を全てアキュムに置き換えると書かれていた。とうとう来るべき時が来てしまったが、全車8両が最後まで故障する事無く、人々を安全に運んでほしいものである。

そして、ダイヤ改正日の前日、8両のキハ40はその任を全うし、静かに現役を退いた。


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