岩手県北バス いすずTSD40改/川崎 1968.1製造


  ゴールデンウィーク後半の2007.5.3〜5、イオン盛岡南ショッピングセンターを基点に、盛南エリア周遊ボンネットバスが運行されました。車両は岩手県で唯一の現役車両である、岩手県北バスのいすずTSD40改/川崎が使用され、この春一番の暑さとなった盛岡市郊外を颯爽と走行しました。1980年代は、岩手県北バスのいすずTSD40改は、富士重、北村、そして川崎の3つのボディーバリエーションを持った計4台が在籍し、各車両にはそれぞれ愛称が付けられて活躍しましたが順次廃車となり、現在は川崎ボディーを纏った八幡平号のみが残留しています。これまで何度も廃車の話が持ち上がったそうですがその都度撤回され、今日までオリジナルナンバーのまま冬場は雪深い八幡平で、それ以外の季節は時々イベントで使用されています。外装は昨年再塗装されたそうですが、下地の痛みが激しい為に既に光沢は余りありませんでしたが、エンジンや足回りはしっかりしており、これからも北国で本領を発揮してくれる事でしょう。因みに、現在国内に残るTSD40は北村ボディが圧倒的に多く、川崎ボディ車はこのクルマが唯一の存在となっています。











フロントガラス、及び三角窓は全て固定式となっている。リアデザインからはBXD30との見分けがつかない。

岩手県交通のエルガミオが横を通過する。大きさの差は余り感じない。

   年季の入ったシングルナンバープレート。雪との格闘の痕が痛々しい。岩2く6000番台は、岩手県北自動車に割り当てられていた
 もので、かつて岩手県内に沢山あったバス会社毎に、0番台(岩手中央バス)、1000番台(岩手県南バス)という風に分けられていた
 時代の名残りである。

内装は再塗装された痕跡はなく、ヒビ割れや錆の発生が激しい。

短いボディーだが、リアオーバーハングがやたらと長い。

   箱型バスが角張ったボディーにフルモデルチェンジされた1966年以降も、ボンネットバスは原則的に旧型の丸型ボディーで
 製造された。しかし年式が新しくなる程、細部は少しずつ近代化されていった。その一例と思われるのが最後部の嵌め殺しの
 側窓で、面積が目一杯拡大されて開放的になっている。ボディーの長さと可動式側窓の寸法から、この場所に大きな余裕が
 生まれて大きくなった可能性もあるのだが、これと同じタイプの窓は、かつて最後のボンネットバスとして松本電鉄や諏訪自動車
 が、これとほぼ同時期に導入した、いすずBXD50にも採用されていたので、近代化の一端だったのではなかろうか。

コーションプレートにも年季が入っていた。

2007.5.4撮影


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